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2006/11/24
私はまだ全く結婚願望はなく、女の子と付き合っていても、「この子と結婚したい」とまで思うことはないのだが、過去に一度だけ、ある瞬間に、結婚したくてしたくてたまらなくなったことがある。
あれはたしか、蒸し暑い夏の夜のことだった。当時付き合っていた女の子が夕方からアパートに泊まりにきていて、私たちは、適当な夕飯を食べ、DVDで映画を一本みたあと、順番にシャワーを浴び、それから、1000ピースのパズルをしたのだ。ミッキーマウスかなにかの絵が描いてあるパズルだったと思う。
真夜中、私たちは二人で、隣同士に寝そべって、ほとんど会話も交わさず、黙々とパズルを作り続けた。途中、彼女が何度か、「もういいから寝よう」といった主旨のことを言ったように思う。だがそのころの私は、一度始めたパズルを放り出して眠ることは、パズルに対する冒涜であるように感じていた。要するに、狂っていたのだ。だから、彼女の提案を撥ね除け、再び、ひたすらパズルのピースを組み合わせ続けた。
パズルを始めてから、数時間が経っていたと思う。私は一息ついて、ようやく視線をパズルから外し、何の気なしに隣にいる彼女に目をやった。彼女は、いつの間にか眠っていた。パズルを作っている時の姿勢のままで。そして、彼女の二の腕あたりには、なぜかパズルのピースが一枚貼りついていた。
この瞬間だ。
この瞬間、私はもうどうしようもなく、「この女と結婚したい」と思ったのだ。この機会を逃したら、もう二度と、二の腕にパズルのピースが貼りつくような女とは出会えないと、そして、どれだけ着飾っていようが、顔が可愛かろうが、スタイルが抜群だろうが、二の腕にパズルが貼りつかないような女とは、俺は絶対に結婚したくないと、そう強く思ったのである。
この話はとても良い話だと思うのだが、これまで誰かに話して共感を得られた事はないし、あなたたちがキョトンとした顔をしているのもよく分かることだ。ただあれ以来、男ってもんは、しかるべき時に、しかるべき場所にパズルのピースが貼りついている女を見たら、その女と激しく結婚したくなるもんなんだと、そう遺伝子に刻まれてるのだと、そう思って生きている。

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