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塾講師バイトの面接に行ってきた

2003/07/08

塾講師バイトの面接に行ってきた。講師といっても、個別指導の塾なので、大勢の前に立つと汗が琵琶湖になる私でも安心である。

面接は特に問題もなく進み、採用されそうな手応えもあったのだが、最後にひとつだけ問題が生じた。「髪の色がちょっと明るいから、次回までに直してきてね」と言われたのである。松岡くんが身に纏うとユニクロだってコム・デ・ギャルソンになる、と評判の私にとって、ヘアーのカラーリングが禁止だなんて耐えられない。だいたい黒髪しかダメだなんていう規則は余りに馬鹿げているし、前時代的である。そんな条件を出してくるなら、塾講師なんてこっちから願い下げだ。そんなことを思い、口をついて出た言葉は、「ハイ! 直してきますっ!」

長いものは、本能的に体に巻くぜ。

結局、次回までに髪を黒に戻すという条件付きで、採用が決まった。どうしよう。髪の色は直したくない。しかし、あれだけ元気いっぱいに直してくると言った手前、やっぱり直せませんとは言いにくい。悩む私をあざ笑うかのように、三日後研修がある。現時点で思い付いている対策は、髪をピンク色に染めて行き、遠回しに自らの本音を伝えるという方法のみ。

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美容院

2004/04/16

髪の毛が伸びる。私は美容院に行く。再び髪の毛が伸びる。私は美容院に行く。

と、生まれてこの方そんなイタチごっこが延々と続いているわけだが、最近髪の毛がまた性懲りもなく伸びてきたので、私は性懲りも無く美容院へ行くことにした。こうして、美容師の懐だけがだんだんと暖まってゆくわけである。

美容師の懐から発火する日も近いなあ、などと思いながら馴染みの美容室に行くと、そこには全焼して骨組みだけを残した建造物がぽつり、なんてことはなく、担当の美容師がにこやかに出迎えてくれた。

とりあえず近況なんかを話し、

「こないだロード・オブ・ザ・リングの最新作見たんだよー」
「僕は見てないっすねー」
「3つとも見ちゃったんだよねー」
「僕は3つとも見てないっすねー」
「アラゴルンってキャラがかっこよくてさー」
「あー、知らないっすねー」

という不毛なやり取りが終わると、「で、今日はどんな感じにしようか?」となる。私は昨今のヘアスタイル事情には疎く、ウルフヘアーが完全に旬を過ぎた頃に、「僕をウルフにしてください!」と元気よく言った過去もあるので、美容師さんに任せるという旨を伝えると、「じゃあアシンメトリーにしよう」との言葉。

「あしんめとりー?」と、流れ出る鼻水もそのままの低IQ面でおうむ返しに聞き返す私の目に映ったのは、「よし、そうしよう!」と一人やる気を燃え上がらす美容師の姿だった。

そして、

「ラストサムライが面白かったんだー」
「僕は見てないっすねー」
「呪怨がマジで怖くてさー」
「僕は見てないっすねー」

というやり取りをしながら数十分、私は立派なアシンメトリーヘアーになったのだった。

アシンメトリーというのは左右非対称という意味らしく、完成した髪型は、前髪が右から左にゆくにつれてだんだん長くなっており、さらに襟足は右だけ5センチほど長いという、すさまじいものであった。いきなりアヴァンギャルドの彼方へとぶん投げられて、ハトが豆鉄砲で最愛の人を殺されたような顔になっている私に対し、美容師は、「すげーカッコいい!」と褒めそやす。その後も彼は、

「原宿ではみんなこの髪型」
「これから関西でも流行り始めるよ」
「松岡くんの第二ボタンはもう問答無用でSOLD OUT!って感じ」

と捲し立て、私は、「最後のは意味分かんないです」と言葉を挟む余裕すら無く、美容室を後にしたのだった。

本当にこの髪型はかっこいいの?  女の子にモテるようになるの?  俺はこの街でファックの金字塔を打ち立てることができるの?  私の心に突如湧きあがった不安と混乱の泉、通行人のちょっとした視線に心かき乱されながらも、その足でバイト先の塾へと向かう。俺が磁石なら女の子は砂鉄! 俺が磁石なら女の子は砂鉄! そんな言葉を呪文のように唱えながら教室に入ると、担当している生徒が、こんにちはより先に、「うわあ、それは失敗だと思うよー」って。

だよねー!

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冷蔵庫の調子がおかしい

2003/01/12

どうも最近冷蔵庫の調子がおかしい。冷蔵庫に入れたものが、何故かみなカチカチに凍ってしまうのだ。冷凍庫にライバル意識を抱いているのかなんなのか分からないが、困る。冷蔵庫は冷蔵庫らしくしてほしい。冷やせば冷やすほど良いというわけではないのだ。

携帯電話も、どうも調子が悪い。充電器にセットしても、なかなか充電が始まらないのだ。今日など、電池が切れかけだったので充電器にセットしたのに、充電中を示す赤いランプはいっこうに点灯しない。おかしいと思いボタンを押したりセットし直したりと試行錯誤してみたが、充電は始まらず、挙げ句の果てに「充電してください」の文字が出て電源が切れてしまった。

いやいや、充電器にセットされてるんだよ、お前は。思わずそう言いたくなる。充電器にセットされているのに「充電してください」って、飯を食いながら「飯はまだか」って言うようなもんだぞ。そんなの、おじいちゃんだってやらない。

ヤカンも、このところおかしい。昔は沸騰すると元気よくピーーッと音が鳴っていたのだが、最近は、「ピョ、ピョフッ、ピョヒーィ…、ピョーー、ヒュー」なんて、どうにもこうにも優柔不断な音を鳴らす。沸騰してんのかどうなのか。はっきりしてほしい。

示し合わせたかのように始まった家具たちの反乱に私は戸惑うばかりである。この調子だと、そのうちテレビやらドライヤーやらMDコンポやらも順々に調子が悪くなっていくんじゃないか。本当に困る。特にMDコンポがおかしくなってしまったら困るな。音楽のない生活なんて考えられない。部屋にいるときはスピーカーから常に何かの曲が流れているというのが普通になってしまっている。ちなみに最近は、尾崎豊ばっかり聴いているのだが。

まさか感化されちゃったのか、あいつら。

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初めてのアルバイト

2003/03/11

アルバイト初日だった。京都にて、あるイベントのスタッフとして6時間ほど働いた。

ぽつぽつと雨が降る中、「○○はどこにあるんですか?」という客の質問に答えたり、写真を撮ってくれというカップルの頼みを聞いたりした。また、雨のせいで地面が非常に滑りやすくなっていたので、「足下滑りやすくなっておりますのでお気を付けください」と呼び掛けたりした。車が通るときは、「車が通ります」と歩行客に注意を呼び掛けた。

人の下に立つべき者として生まれてきた私にとって、接客すること自体は苦痛でも何でもないのだが、ひたすら立ちっぱなしというのは少し辛い。それに、客がみんな他人に依存し自ら考えることを放棄した愚かな人間ばかりであるわけでもないので、常に誰かに道を聞かれているということもない。よって、ぼーっと突っ立っている時間が多くなる。

そうなるとつい、マニュアル通りに仕事をこなすのではなく、ちょっと冒険してみたいな、なんて思ってしまう。例えば、「足下滑りやすくなっておりますのでご注意ください」と言った途端に自分が滑るとか。すごくダイナミックに尻もちをつく。それから起き上がって、「今のは悪い見本」とむっつりした表情で呟けば尚良い。「足下滑りやすくしてありますのでご注意ください」とかも言ってみたい。「おまえの仕業なのかよ」と心の中で思わせたい。

車が通るときは、「将軍様の行列が通られます」とか。途端に道の脇に寄って平伏す歩行客たち。頭を上げたりしたら容赦なく日本刀でばっさり。何も分からず飛び出す子供。「無礼者!」と叫ぶ私。驚いて泣き出す子供。「この子は幼いので見逃してほしい」と懇願する母親。「ならんならん!」と激昂する私。「お助けええー」と私の服にすがりつく母親。

そんなノリのいい客はいない。

一番やりたかったのが、「ここはユニバーサルスタジオジャパンではありません」と通行人みんなに呼び掛けること。あたりは京都の町並み、連なる寺院、第一まず府が違う、勘違いのしようがない。でも必死で呼び掛ける。「ここはユニバーサルスタジオジャパンではありません!」「ここはユニバーサルスタジオジャパンではないのです!」

そんなことを考えていたら、チーフがやって来て、「勤務時間終わったし帰るぞ」と言った。かくして、私のアルバイト初日は、これといった問題もなく、無事に終了した。

いやあ、あっという間の6時間でした。

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