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理想の女の子

2003/10/23

理想の女の子について書こうと思う。

友達というには、あまりにも親密な二人。周囲からも、実は付き合ってるんじゃないの、なんて詮索されるほど、二人の仲は良い。

私は彼女に好意を抱いている。恋と呼んでしまってもいいだろう。しかし、だからこそ二人の関係が壊れてしまうのが怖く、あと一歩を踏みだせない。

彼女はいつも私の前で無邪気に笑う。時たま、あまりに無防備な姿を見せることもある。そして私は、自分は男として意識されていないんじゃないだろうか、なんて悩むことになる。

夏も終わりかけた日、公園のベンチ、いつも通りのたわいない話。

太陽が傾きはじめる。ふと話が途切れる。うっすらと辺りを包む沈黙。夕闇が二人の肩を撫でる。

彼女は珍しく真面目な表情で、口を開く。

「彼女、いるの?」

すこし驚く。そういえばこんなに仲が良いのに、恋の話はしたことがなかった。意識的に避けていたのかもしれない。

「いや、いないよ」

声がすこし上ずっているのが、自分でも分かる。

「ふうん、そうなんだ…」

彼女は遠くを見ながら、そう呟く。

彼女の二本の細い足が、振り子時計みたいにぶらぶら揺れている。

私の手の中が、じっとりと汗で湿る。

「あたし、立候補しちゃおうかな」

「え…」

時間が止まる。心臓の音がどうしようもなく大きくなってゆく。

「今度の参院選に」

そして実際に当選して、日本再生に尽力してくれたりしたら最高だ。

私はずっと片思いのままでいい。

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家にいる時が一番テンション高い

2003/07/20

「家にいる時が一番テンション高い」でお馴染みの私であるから、今日も家に帰ると同時に態度豹変、松岡くんってそんな顔もできるんだ…とクラスメイトも呟いちゃいそうな笑顔で、広末涼子の「MajiでKoiする5秒前」を踊り付きで歌っていた。(こんなことを書くといつも家で広末涼子の歌を歌っているように思われそうなのでフォローを入れておくが、松浦亜弥のときもある)

男が半裸で広末涼子熱唱ということで、他人が見たら私の部屋は一人ワールドウォーとでも言うべき無惨な光景になっていたことだろうが、私としてはそんなことお構いなし。自分が楽しければそれで良いという信念のもと、「ボーダーのTシャツの裾から覗くオヘソ」と汚い裏声で歌っていたのだが、「蟹座の女の子ってどこか少し大胆」と歌っているあたりで、部屋のドアをしっかり閉めていなかったことに気が付いた。ドアが半開きになっていたのである。

これすなわち、私の歌声が部屋の外へと漏れていたわけで、「蟹座の女の子ってどこか少し大胆」と楽しそうに歌う私の声がアパートの住人に丸聞こえだったわけで、きっと誰か一人くらい、「たしかにやってることは大胆だけども」と呟いた奴もいるんじゃないかなあ、なんて思いながらも、歌は強引にケミストリーに変えた。「蟹座の女の子ってどこか少し大胆 夏草が流れてく」とか歌ってた。

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土下座師

2003/04/30

だめだだめだ。何食わぬ顔で更新を再開してみたが、一か月以上もサイトを放ったらかしにしていたという事実は変わらない。更新が止まっていた間も日々足を運んでくださっていた読者のことを思うと、申し訳なくて心が痛む。これ以上何も無かったかのように更新を続けるのは、私の良心が許さない。やはり一人の人間として、十八番の土下座「キツツキ」で、しっかりと皆さんに謝罪しておこう。

ひざまずき、恋人を愛撫するかのように優しく、地面に手を置く。一瞬の静寂の後、すさまじいスピードで額を地面に連打。工事現場を連想させる鈍い音が断続的に響き渡る。額からは止めどなく血しぶき。あたりに紅の池が出来上がった頃、動きを止め、ゆっくりと起き上がる。素敵な笑顔。額には赤い滝。

これで、少しでも私の誠意が伝わればと思う。これからは心を入れ替えて、頻繁に更新をする。だからみんな応援してね。

なんて風に甘ったるく話が終わればいいのだが、悲しいかな、まだ皆さんに謝らなければいけないことがある。非常に言いにくいのだが、メールの返事がずいぶんと遅れているのだ。最も古いメールは、3月の前半に送られてきたものだ。

あれだけメールが欲しいと言っておいて、いざメールが届くと、一か月以上も返事を書かない。これは最低の行為である。命を救ってもらった直後に割腹自殺するようなものであり、恵んでもらった食料でカブトムシを捕まえようとするようなものだ。本当に申し訳ない。ここはひとつ、土下座「コンパス」で許していただけないだろうか。

ひざまずき、額を地面に押し付ける。小さく息を吐き出すと、首の筋肉にグッと力を入れ、徐々に下半身を浮かし、さらには上半身も浮かす。額だけが地面に付いている状態になると、両手の掌で地面を回し勢いをつけ、額を軸に回転し始める。その速度は次第に増してゆき、やがて人間の目では追えぬ速さとなる。耳をつんざく金切り音に混じって、途切れ途切れに聞こえてくる「ごめんなさい」の声。

最後にもう一つだけ、謝っておく。いまメールの返事が遅れていると言ったが、フォームレスの方は、もっと遅れている。メールアドレスが書かれていないメールにはサイト上で返事をすることになっているのだが、それはもう2か月以上放ったらかしなのだ。私は何をやっているのだ。何の前触れも無く更新を止めるわ、メールの返事は書かないわ、完全に読者をバカにした行為である。情けない。全読者への謝罪の意味も込めて、今日の日記は、土下座「ビッグバン」で締めさせていただく。

ひざまずく。周囲からあらゆる音が消え、あたりは緊張した雰囲気に包まれる。時間の感覚は狂い、もはや人の定めた時間の単位など彼方へと消え去る。一瞬であり、同時に永遠である時間の後に、そっと額を地面に付ける。

爆発音。辺り一帯の生あるものは、その一生を振り返る暇さえ与えられず、無へと帰す。あらゆる建造物は設計主の意図を微塵も残さぬほどに倒壊し、もうもうと立ち籠めるどす黒い煙。神に踏みならされたかの如き水平な大地にもはや文明の痕跡はなく、ただ一人の男が地面に額をこすりつけているのみ。

やがて煙は空へと昇り、徐々に形を成してゆく。真っ赤に染まった空に浮かぶ、「ごめんなさい」の文字。

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最後のテストが終わり、晴れて夏休み突入となった

2003/08/01

今日、最後のテストが終わり、晴れて夏休み突入となった。もはや私の気持ちが完全に夏休みの方を向いていたこともあって、今日の力学のテストはさんざんな出来であった。

一応、前日は徹夜で勉強していたのだが、教科書を読んでいたはずが気付いたら鉛筆を並べてサマーバケーションという文字を作っている私がいたりして、いっこうに勉強は進まない。その上、息抜きのつもりでインターネットに繋いだら、とあるサイトでソリティアというゲームを見つけてしまい、このゲームがまた、現実逃避のためだけに存在するようなゲームで、やろうと思えば延々といくらでも続けられる。

結局、私は机で寂しそうにしている教科書にちらちら目をやりつつもソリティアをプレイし、そのまま明け方近く。「こんなことになるのなら、出会わなければ良かったね…」と画面に向かって話し掛けながらもソリティアの手は止まらず、私が正気に戻ったのは、テストが1時間前に迫った朝の9時であった。

その結果、テストの出来は前代未聞、もう、問題用紙を見た瞬間に分かった。一問も分からないということが、分かった。

大体、日付けは八月となり、気温は三十度を超え、蝉が鳴き、浴衣姿の女の子もちらほら見かけ、まさに国を挙げて「夏!」という感じなのに、部屋で力学のテスト勉強だなんて、そんなの、福沢諭吉だってドンペリの瓶で教授の頭をガッシャーンといくだろう。勉強できるわけがなかった。

勢い余って過去の偉人まで巻き添えにしてしまったので、とりあえず一万円札に頭を下げておくが、とにかくまあ、これで夏休みだ。テストはもう終わったのだし、いろいろ考えても仕方ない。そんなことよりも、この夏休みを満喫しよう。

というわけで、さっきからずっとソリティアをやっている。

これが俺の夏だ。

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